2023年6月5日、AppleのWorldwide Developers Conference(WWDC)の”One more things”として発表された新デバイス。
Apple Vision Pro はVR/ARゴーグルだ。
2007年のNHKアニメ『電脳コイル』に憧れた人であれば、夢のAR技術がついにやってきたか、と期待に胸を膨らませるであろう。ぼくもその一人だ。
かつてVRゴーグルは、Meta Quest や Microsoft Hololens やGoogle Glass という先行製品がある。GAFAの各巨頭がこぞって開発を進めているジャンルである。そこにAppleがついに参戦したという形だ。
QuestはVR特化であり、一般人向けに市販している。一方、ARゴーグルであるHololensやGoogle Glassは企業向けにか販売しておらず、 まだ実験・試行中である。
そこにAppleが価格が非常識に高いにも関わらず、一般販売をしようとしている。
Apple Vison Pro の技術的詳細は、他のサイトを参照してほしい。
特筆すべきは以下の三点だ。
この3つ、つまり入力系のイノベーションがVision Proの最大の特徴と考えている。ちょうど、静電タッチパネルの採用により、ペン入力から指での入力を発明したイノベーションと同じ構図と言える。
この多数のカメラを使えば、『電脳コイル』で電話に出る仕草(小指と親指を立てて手を受話器と見立てて耳に当てる)も実現できそうだ。
なぜこうしたヘッドアップディスプレイのようなデバイス開発にしのぎを削るかと言うと、ARゴーグルはスマートフォンに代わるデバイスとなりうるからであろう。『電脳コイル』のようにシンプルで軽量なデバイスになるのはとても難しいと思うが、日常的に装着していられるようなデバイスにすることはあと数年もすれば可能だろう。
そうすると、スマートフォンは過去のものとなり、ARゴーグルがあればPCもスマホもいらない、という世界がやってくる。現在のガラケーとスマホの利用比率に近い形で、スマホとARゴーグルの利用比率になるかもしれない。
ポスト・スマートフォンのプラットフォーム競争、それがARゴーグルで行われている。